NI伊藤憲武
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10分で聴くリーガルアップデート 第4回

景品表示法の執行から読む:広告のどこが問題になるか

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この回の要点

  • 個々の文言が事実かどうかではなく、広告全体から一般消費者が受ける印象で判断されます。
  • 効果・性能の表示は、出す前に根拠資料を持っているかどうかで結論が変わります。
  • SNS投稿は、依頼・対価・方針への関与があれば、広告であることが明瞭に伝わる必要があります。

今日のテーマと要点

伊藤今日は景品表示法です。条文の改正ではなく、消費者庁が出している実態調査報告書と、最近の措置命令から、どういう広告が問題になりやすいかを見ていきます。

聞き手法律そのものより、運用を見るということですね。

伊藤この分野は、条文だけ読んでも判断できません。押さえてほしいのは三つです。

伊藤一つ目。個々の文言が事実かどうかではなく、広告全体から一般消費者がどういう印象を受けるかで判断されます。

伊藤二つ目。効果や性能の表示は、出す前に根拠資料を持っているかどうかで結論が変わります。

伊藤三つ目。SNSの投稿は、依頼や対価の提供、投稿方針への関与があれば、広告であることが明瞭に伝わっている必要があります。

環境ラベルと「全体の印象」

聞き手一つ目の、全体の印象という話を具体的にお願いします。

伊藤消費者庁が2026年8月に公表した環境ラベルの実態調査が分かりやすいです。事業者のサイトなどで使われている環境ラベルを集めて、事業者への聞き取りと消費者アンケートを行っています。

伊藤調査では、環境上の特徴が商品自体のことなのか、包装のことなのか、全体のことなのかが分からない表示や、原材料について環境上の特徴をうたいながら使用割合を具体的な数字で示していない表示が指摘されています。

聞き手再生素材使用、と書くこと自体が問題なのではなく。

伊藤そうです。使用割合が実際には小さいのに、商品全体が再生素材でできているような印象を与えるのであれば、文言そのものは正しくても問題になり得ます。環境の表示は、何が、どの程度、どの範囲で環境に配慮しているのかを特定すると強くなります。

伊藤あわせて、自社で作ったマークが、第三者の認証のように見える作りになっていないか。ここも見てください。

No.1表示と期間限定表示

聞き手次に、よく見るNo.1表示について。

伊藤消費者庁の2024年9月のNo.1表示に関する実態調査では、主観的評価に基づくNo.1表示について、少なくとも四つの条件を満たす調査であるべきという考え方が示されています。比較する商品やサービスが適切に選定されていること。回答者が適切に選定されていること。公正な方法で調査されていること。そして、調査結果と表示内容が適切に対応していること。

聞き手調査会社から1位という結果をもらえば足りる、というわけではないのですね。

伊藤足りません。同じ調査では、広告主が調査の中身、たとえばどういう質問だったのか、どの競合と比べたのかを把握していない例も報告されています。外注していても、広告主自身が調査設計を確認する必要があります。

伊藤それから、期間限定の表示です。2026年6月には、買取サービスの事業者が、キャンペーン期間中だけ買取価格が上がるかのように表示していた件で措置命令が出ています。実際には、期間を過ぎて申し込んだ人も同じか、それ以上の条件だった、とされています。

聞き手今だけ、という言葉を使うなら、本当にその期間だけ有利であること。

伊藤そこが確認点です。キャンペーンを延長し続けている場合や、終了後も同じ条件を出している場合は、表示の見直しが要ります。

SNSと不実証広告規制

聞き手三つ目のSNSの話をお願いします。

伊藤2026年8月に、写真加工アプリのサービスに関して、ステルスマーケティング告示の適用を認める措置命令が出ています。公表資料によれば、対価を提供することを条件に、事業者が指示した内容に沿った投稿を第三者に依頼していた、という事案です。

伊藤投稿には事業者の依頼であることが表示されておらず、全体として、事業者の表示であることが一般消費者に明瞭になっていなかった、と判断されています。

聞き手インフルエンサーへの依頼だけが対象ではない、ということですね。

伊藤はい。商品の無償提供、ポイントの付与、アンバサダー制度、一般の利用者の投稿のように見せる形、従業員や関係者の投稿。いずれも同じ二つの問いで確認します。事業者が投稿内容の決定に関与しているか。一般消費者が広告だと明瞭に分かるか。

伊藤PRや広告という表示を付ける場合も、投稿の末尾やハッシュタグの塊の中に埋もれていると、明瞭とはいえません。

聞き手最後に、効果や性能の表示についてもお願いします。

伊藤不実証広告規制です。効果や性能を具体的にうたう場合、消費者庁から資料の提出を求められることがあり、合理的な根拠を示す資料と認められなければ、不当表示とみなされます。2026年4月には、吸水ショーツの事案で、提出された資料が合理的な根拠と認められない、あるいは期間内に提出されなかった、として措置命令が出ています。

伊藤ここで大事なのは、根拠は表示をする時点で持っていなければならない、ということです。指摘されてから揃えるものではありません。生成AIの機能について、精度100%、業界最高水準といった表示をする場合も同じ考え方になります。

まとめ

伊藤まとめます。一つ目、個々の文言ではなく、広告全体の印象で見てください。強調表示と打消し表示の関係、画像、価格、期間、全部を合わせて何が伝わるかです。

伊藤二つ目、効果や性能、No.1、比較の表示は、出す前に根拠を持っているかを確認してください。

伊藤三つ目、SNSは、関与の有無と、広告であることの明瞭性。この二つで確認してください。

聞き手キャンペーンを延長したときなどは、どうすればよいですか。

伊藤公開時に一度確認して終わり、ではなく、延長、ランディングページの改訂、SNSでの再投稿のときに、最初の確認の前提が変わっていないかを見てください。運用の中で崩れることが多い分野です。

Sources

参考にした一次資料

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本コンテンツは一般的な情報の提供であり、個別の法的助言ではありません。実際の判断は、事案の具体的な内容と最新の法令・ガイドラインに基づいて行う必要があります。ご相談はお問い合わせフォームからお願いします。

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