NI伊藤憲武
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官庁ガイドライン索引 / AI・システム

AI・システム開発の官庁ガイドライン一覧

法整備が追いついていない領域であるため、ガイドラインが事実上の行動規範として機能します。AIを組み込んだサービスを提供する際は、まずこれを確認したうえで個別の規制を検討するのが効率的です。

この分野で 28件 を収録しています。主な発出機関:IoT推進コンソーシアム、個人情報保護委員会、厚生労働省、文部科学省 初等中等教育局、AIセーフティ。各文書の最新版・改訂状況は、必ずリンク先の一次ソースでご確認ください。

Overview

この分野で実務上問題になること

AI分野では、2025年に「人工知能関連技術の研究開発及び活用の推進に関する法律」(いわゆるAI法)が全面施行され、同法に基づく指針も整備されています。他方、個別のサービス設計で求められる具体的な水準は、AI事業者ガイドラインをはじめとするガイドラインや、個人情報保護法・著作権法など既存法令を組み合わせて判断する場面が多い分野です。

1. AI事業者ガイドラインの構造

総務省と経済産業省が公表しているAI事業者ガイドライン(第1.2版・2026年3月)は、AIに関わる主体を開発者・提供者・利用者の3つに分け、それぞれが取り組むべき事項を示しています。自社がどの立場に当たるかを整理したうえで、該当する事項を確認します。

既存のAIモデルをAPIで組み込み、自社のサービスとして利用者に提供する場合は、通常、少なくとも「AI提供者」としての役割を検討する必要があります。独自のモデル開発や追加学習の態様によっては「AI開発者」としての観点も加わります。他社モデルを利用しているだけであっても、自社サービスとしての安全性確保や利用者への情報提供等について検討が必要です。

2. 学習データと著作権

著作権法には、著作物に表現された思想又は感情の享受を目的としない利用について、一定の範囲で許容する規定があります(同法30条の4)。機械学習のための複製はここで整理されるのが基本ですが、例外なく許されるわけではありません。当該著作物の種類・用途や利用態様に照らして著作権者の利益を不当に害する場合は対象外とされています。

また、学習段階と生成・利用段階は分けて考える必要があります。生成物が既存の著作物に類似し、かつそれに依拠していると認められる場合には、生成・利用の段階で著作権侵害が成立しうる。文化庁が考え方を公表しており、実務ではこれが出発点になります。

3. 個人情報との関係

学習データに個人情報が含まれる場合、取得の適法性、利用目的の特定と通知・公表、第三者提供該当性などを順に確認することになります。とりわけ、要配慮個人情報の取得は、法令上の例外に当たる場合を除き原則として本人の同意が必要です。ウェブ上のデータを収集して学習に利用する場合も、病歴や信条等の要配慮個人情報を取得することになるか、公開の態様や取得方法を含めて確認が必要です。

生成AIのサービスに利用者が入力した情報を、提供者側が学習に使うかどうかも論点です。使う場合は、利用目的として明示し、入力される情報の性質に応じた手当てが要ります。

4. AI開発契約の設計

AI開発は、成果や精度を契約締結時に確定しにくいという特性があります。経済産業省の「AI・データの利用に関する契約ガイドライン1.1版(AI編)」は、アセスメント、PoC、開発、追加学習という探索的段階型の進め方を示しており、2025年には生成AIを含む「AIの利用・開発に関する契約チェックリスト」も公表されています。案件の不確実性に応じ、段階ごとに目的・成果物・責任範囲を定める設計が重要です。

契約で検討すべき主な点は、学習用データや入力情報の提供主体と利用範囲、学習済みモデルや成果物の権利・利用条件、派生モデルや再利用の可否、第三者権利侵害や事故が生じた場合の責任分担、そして精度・性能に関する取り決めです。精度を保証するのか、一定の指標を目標とするのか、検証方法をどうするかまで具体化しておくと、期待値のずれを抑えられます。

この分野を掘り下げた記事:生成AIサービスを立ち上げる際の法務チェックリスト

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