NI伊藤憲武
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官庁ガイドライン索引 / ハラスメント・内部通報

ハラスメント・内部通報の官庁ガイドライン一覧

相談窓口を設計する際、通報対応の規程を作成する際に参照します。措置義務の内容は指針で具体化されているため、法律の条文からは必要な体制を読み取ることができません。

この分野で 22件 を収録しています。主な発出機関:こども家庭庁、人事院、厚生労働省、厚生労働省労働基準局、文部科学省。各文書の最新版・改訂状況は、必ずリンク先の一次ソースでご確認ください。

Overview

この分野で実務上問題になること

ハラスメントと内部通報は、いずれも「窓口を作れば終わり」と誤解されやすい分野です。法律が求めているのは体制であり、その中身は指針で具体化されています。窓口の存在だけでは措置義務を果たしたことになりません。

1. パワーハラスメントの措置義務

事業主には、パワーハラスメントの防止のために必要な措置を講じる義務があります。中小企業を含めてすでに義務化されています。指針が求めているのは、方針の明確化と周知・啓発、相談に応じる体制の整備、事後の迅速かつ適切な対応、そして相談者・行為者等のプライバシー保護と不利益取扱いの禁止です。

パワハラの定義は、①優越的な関係を背景とした言動であって、②業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより、③労働者の就業環境が害されること、という3要素で示されています。実務上、判断が分かれるのは②です。指導とハラスメントの線引きは、目的、手段の相当性、頻度、当該労働者の状況を踏まえて個別に判断することになります。

2. カスタマーハラスメント

カスタマーハラスメントについては、2026年10月1日から、事業主に防止のための雇用管理上の措置を講じることが義務づけられます。厚生労働省の指針では、方針の明確化と周知・啓発、相談体制の整備、発生後の迅速かつ適切な対応、再発防止等が示されています。施行前に、相談窓口や現場の対応方針を含めた体制を整えておく必要があります。

実務上重要なのは、どこからがカスタマーハラスメントかを社内で先に決めておくことです。現場の判断に委ねると、担当者ごとに対応が割れ、かえって紛争を招きます。判断基準、対応の段階(記録、警告、対応打切り、法的措置)、誰が決裁するかを規程に落とすところまでが実務です。

3. 公益通報者保護法の体制整備

常時使用する労働者が300人を超える事業者には、内部公益通報に応じ適切に対応するために必要な体制の整備が義務づけられています(300人以下は努力義務)。求められる体制の内容は指針で具体化されています。なお、2026年12月1日施行の改正法では、公益通報対応体制の周知義務や従事者指定義務の履行確保等が強化されるため、改正後の指針も踏まえた見直しが必要です。主な項目は次のとおりです。

  • 部門横断的な受付・調査・是正の仕組みを設けること
  • 公益通報対応業務従事者を、書面による指定など、その地位に就くことが本人に明らかになる方法で定めること。従事者には通報者を特定させる事項について守秘義務が課され、違反には刑事罰があります
  • 通報者を特定させる情報の共有範囲の限定、利益相反の排除、不利益取扱いの防止と是正

従事者の指定は、単に担当者を置くだけではなく、本人が刑事罰で担保された守秘義務を負う立場であることを認識できる方法で行う必要があります。誰が従事者に当たるかを明確にし、情報共有の範囲もあわせて設計しておくことが制度の実効性につながります。

4. 窓口を作るときに決めておくこと

設計の段階で定めておかなければ、後に紛議を生じやすいのは次の点です。通報を受けた後の調査の手順と期限、匿名通報を受け付けるかと受け付ける場合の運用、調査結果を通報者にどこまで伝えるか、経営陣が関与する事案の扱い、そして外部窓口(弁護士等)を置くかどうか。外部窓口は、通報のしやすさと調査の実効性の双方に資するものです。

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